ポーライトはPIFで5億円を調達した(10日、埼玉県伊奈町)

小型モーターの含油軸受けで世界トップシェアを誇る粉末冶金製品メーカーのポーライト(埼玉県伊奈町)はこのほど、環境や社会の課題解決を目指す企業を対象にした融資「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」を通じ、5億円を調達した。融資は埼玉県信用金庫が実行した。

脱炭素社会に向け、定置型の燃料電池の引き合いが強まるなか、ポーライトは基幹部品・セパレーターの販売数量を2030年度までに、7倍以上に増やす目標を掲げており、借り入れた資金を活用する。

PIFは国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)の原則などに基づき、企業活動が環境・社会・経済に及ぼす影響を事前に分析・評価する。その上で正の影響の強化、負の影響の緩和に向けた融資を行う。10日に同社の本社で締結式が行われ、菊池眞紀会長、埼玉県信金の池田啓一会長らが出席した。

ポーライトはセパレーターの販売量を2030年度までに7倍以上に伸ばす目標を掲げている

ポーライトは埼玉県熊谷市内にある工場でセパレーターを製造している。24年度の販売実績は757万7000個だったが、30年度には5723万5000個以上に増やすことを目指している。新たな製造ラインへの設備投資、人員確保などに資金を充てる。本社工場では太陽光発電設備の設置も検討している。

新卒採用の強化、社員1人当たりの時間外労働の削減、有給休暇取得率の向上などについても、重要業績評価指標(KPI)を設定した。

ポーライトは1952年設立。埼玉県内のほか、台湾やマレーシアなど海外にも生産拠点を置く。2024年に伊奈町に本社を移転し、工場を新設した。

埼玉県信金は24年度からPIFを積極的に実行しており、ポーライトは21件目という。

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