関西電力は10日、使用済み核燃料を一時保管する「乾式貯蔵施設」について、2025年に着工、27年ごろに完成としていた高浜原発(福井県高浜町)の施設を26年着工、28年ごろ完成へと1年後ろ倒しにしたことを明らかにした。燃料の搬出先の一つである再処理工場(青森県六ケ所村)の審査状況の遅れを受け、関電がスケジュールを見直した。

 県内の乾式貯蔵施設をめぐっては、福井県の杉本達治知事が、使用済み核燃料の主な搬出先として想定されている日本原燃の再処理工場について、日本原燃の原子力規制委員会への説明が終わるまで設置の是非に関する判断を先送りする方針を示している。

 関電は10日、幹部が福井県を訪れ、再処理工場の審査状況を説明した。地震の際の施設内での水漏れ対策などについて11月までの規制委への説明完了は難しいが、終了時期が大きくずれ込むことはないという。説明終了後の検査体制や重大事故対応訓練などのやり方を工夫することで、26年度中の完成目標に影響はないとした。

 関電は日本原燃に追加で社員を派遣するなどして支援を行い、再処理工場の完成に全力を尽くす考えを示した。

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