
三井不動産は10日、同社が手がける商業施設「MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)」(東京・渋谷)内に新設したイベントスペースを公開した。企業によるエンターテインメント関連の期間限定ショップなどを誘致する。イベント主催企業に施設内のデジタル看板などPR用の設備も提供し、出店料と広告収入を得る。
新たなスペース「Park in Park(パークインパーク)」はミヤシタパークの1階に置く。約78坪の区画は、物販や展示ができるギャラリーと厨房を備えた飲食スペースで構成した。企業などが開く期間限定のイベントを年間約100件受け入れる。
まず11日から11月2日まで、同区画でソニー・ミュージックエンタテインメントが英人気ロックバンド「オアシス」の期間限定ショップを出店する。10月25〜26日に開催するオアシスの東京ドーム公演を記念し、バンドのロゴをあしらったTシャツなどを販売する。飲食スペースでは、ロゴ入りグラスで飲めるビールを用意した。

今後はアートや音楽、スポーツ分野の企業が手がけるイベントを誘致する。三井不動産は9月、新区画のオープンを前にミヤシタパーク内に42面のデジタル看板を新設した。期間限定ショップなどを出店する企業がミヤシタパーク全体に自社の動画広告を流せるようにし、広告収入を得る。
同社商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部の國嶋航太氏は「商業施設を単に買い物をする場所から、企業がイベントに使い、訪れる人が様々な体験をできる場所へアップデートしていく」と話す。電子商取引(EC)で買い物をする消費者が増えるなか、商業施設にしかない体験を用意して違いを打ち出す。
ショッピングモールなど他の商業施設でも、企業がイベントや広告を展開できる設備を増やしていく考えだ。自社で所有する不動産をエンタメのプラットフォームとして活用し、常設店舗のテナント料以外にも収益源を広げる。
【関連記事】
- ・三井不動産、総額200億円のCVC 建築費抑制や労働力不足解決へ
- ・三井不動産、複数店舗の商品まとめて試着・購入 ららぽーと海老名で

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。