
通販大手のアスクルは19日、身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」への感染によるシステム障害が発生し、受注や出荷業務を停止したと発表した。
アスクルによると、システム障害は19日午前に発生し、法人向けの「ASKUL」や個人向けの「LOHACO」で受注・出荷業務を停止した。個人情報や顧客データの流出などを含めた影響を調査している。
注文を受けた出荷前の商品はキャンセル扱いとする。アスクルは「一刻も早いシステムの復旧に向け対応している。復旧のめどが立ち次第、改めてお知らせする」としている。
一方、良品計画も「無印良品」のインターネットストアで受注・出荷業務を停止したと発表した。19日午後9時からサイトの閲覧や購入などができなくなっている。再開時期は未定。サイト停止前に受注した商品も配送が遅れる可能性があるという。
無印良品のネットストアはアスクル子会社に配送の一部を委託しているため、今回のシステム障害の影響が及んだという。良品計画は「復旧に向けてアスクルと連携して対応していく」としている。
実店舗への商品供給に影響はなく、営業は平常通り。24日から予定している、会員を対象に購入金額の10%を割り引く「無印良品週間」は実店舗のみ実施し、ネットストアは見送る。
また、雑貨店のロフト(東京)も20日、ネット販売を停止したと発表。百貨店のそごう・西武(同)もネット販売を一部停止した。いずれも無印良品と同じくアスクル子会社に配送を委託しており、影響が出た。
ランサムウエアを巡っては9月、アサヒグループホールディングスも被害に遭い、現在も電話で受注して手作業でデータを処理するなど影響が拡大している。【鴨田玲奈】
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