
旭化成は21日、子会社の旭化成ファーマ(東京・千代田)が、骨粗しょう症薬「テリボン」を巡り特許権侵害で提訴していた沢井製薬と和解が成立したと発表した。和解金として沢井製薬から40億円を受け取り、特許が有効な間は同社が製造や販売をしないことで合意した。
テリボンは骨粗しょう症向けの治療薬で、2025年3月期の売上高は410億円と旭化成ファーマの国内の医薬品売上高の約6割を占める主力製品だ。患者が自分で注射できるタイプと、医療機関で投与を受けるタイプの2種類がある。
今回は医療機関向け製品について、後発品である沢井製薬の「テリパラチド」が特許を侵害しているとして、22年に大阪地方裁判所に製造販売の差し止めなどを求め提訴していた。
大阪地裁は沢井製薬に対し、23年9月に製造販売中止などの仮処分命令を出したほか、24年9月には約30億円の賠償金の支払いなどを命じていた。沢井製薬は控訴していたが、和解による解決が合理的だと判断したという。和解金を支払う事による業績影響については精査中とした。
後発薬を巡っては25年5月に、かゆみ改善薬に関する特許(用途特許)を侵害したとして東レが損害賠償を求めた訴訟で、知財高裁が沢井製薬と扶桑薬品工業に計217億円の支払いを命じている。2社は6月に最高裁判所に上告している。

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