
クボタは22日、花田晋吾副社長が社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格する人事を発表した。同日、会長に就く北尾裕一社長とともに大阪市内で記者会見に臨んだ花田氏は「グローバル経営を考えていきたい」と述べ、外国人が経営の意思決定に関与できる機会を増やす考えを示した。主なやり取りは以下の通り。
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――社長就任の打診があったタイミングはいつですか。
花田氏「4月ごろに北尾社長から『今年で社長の座を降りる』との話があり、次の社長候補の一人だと告げられた。経営(の中枢)に携わっていたので青天のへきれきというわけではなかった。10月6日の指名諮問委員会で推挙された。ただ北尾社長はもう1〜2年は職務を続けると思っていた」
北尾氏「非常に分け隔てなく人の意見に耳を傾ける人物で、これまでも重要なポジションをしっかりこなしてくれた。入社当初は財務も経験しており、能力を高く評価している。経験を生かして、クボタの真のグローバル化をけん引してくれるだろう」
――足元の経営環境をどうみていますか。
花田氏「逆風が吹いており、株価も上がっていない。財務状態が評価されておらず、改善しなければならない。管理本部がつくった計画を実行しきれていない部分もあったが、(企画統括や研究開発など全社横断の機能別組織にそれぞれチーフオフィサーを配置する)今回の機構改革で目標に向けて一体的に取り組む経営体制に変えていく。世界のトラクター市場はダウン気味だが、クボタはシェアを極端に落としてはいない。今が踏ん張りどころだと思う」
北尾氏「グローバル化をどう描くかがポイントとなる。従業員が生き生きと働ける職場環境を全世界に広げていってほしいと思う。人は財産であり、いかに成長させて新しいことに挑戦するかが大事だ。伸ばす分野は成長させて新しい分野を開拓するスピリッツをもってほしい」
――これまでの経験を経営にどう生かしていきますか。
花田氏「海外事業に長く関わってきた。人材をグローバル化することと海外人材の活用が最も重要だ。日本企業でグローバル経営をうまくやっている企業は多くないと思う。外国人の役員比率を高めて(経営に)参加できるような仕組みをつくっていきたい」
――米国の高関税政策にはどう対応していきますか。
花田氏「15%の相互関税で決着したが、鉄材の調達には50%の関税が課される。今期と来期の業績には影響が出てくるだろう。値上げなどの対応がもう少し必要なのは事実だ。競合メーカーも条件は同じなので、他社の動きを見ながら機敏に対応したい」
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