
旧東海銀行(現三菱UFJ銀行)で頭取を務めた小笠原日出男氏が9日、亡くなった。87歳だった。バブル崩壊後の金融危機に見舞われるなか、東海銀行では1998年〜2002年に旧行として最後の頭取を務めた。02年の東海銀行と旧三和銀行との合併を主導した。名城大学の理事長を務めるなど、頭取を退いた後も中部経済界の発展に尽力した。
小笠原氏は1962年に東大経済学部を卒業し、同年東海銀行に入行した。営業畑を中心に、企画、融資、資金証券など行内の幅広い分野を経験した。不良債権問題に取り組みつつ、旧あさひ銀行(現りそな銀行)との統合を模索した。
関西地区で強固な経営基盤を持っていた三和銀行をグループに迎え入れることを決めたが、統合の交渉は難航し、最終的にあさひ銀行が離脱した。東海と三和の合併で、旧UFJ銀行が発足した。
退任前の記者会見で小笠原氏は「50年に一度、あるかどうかの激震だった。何度も足が震える思いをした」と語った。
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