田辺三菱製薬は23日、米国で承認申請中だったパーキンソン病治療薬について、米食品医薬品局(FDA)から承認を見送るとする通知を受け取ったと発表した。製造委託先や動物実験データなどに指摘事項が生じたという。田辺三菱は内容を精査し、再申請を目指す方針だ。同薬は2024年にも承認を見送られ、25年4月に再申請していた。
新薬候補は、中程度から重度の症状を持つパーキンソン病患者を対象としている。17年に田辺三菱が完全子会社化したイスラエルの製薬会社、ニューロダームが開発した。グローバルの臨床試験(治験)の最終段階を終え、23年に初めてFDAへ承認申請したが、24年に承認見送りの通知を受けた。
既存の経口薬「レボドパ」と「カルビドパ」を液剤化して、24時間持続的に皮下投与する仕組みが特徴だ。従来の経口治療では薬の血中濃度の変動によって症状が安定しにくかったが、持続投与により血中濃度を安定させ、一日の時間帯によって変動がある運動症状の改善が期待されていた。
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