
北九州市は23日、市営バスの運賃を2026年春に引き上げることを九州運輸局に申請した。値上げは消費税増税時を除き14年ぶり。普通運賃の引き上げ率は平均18.7%で、初乗り運賃は190円から240円に上がる。長期的な利用者減少や燃料費などの高騰を受けて実質的な赤字に陥っており、値上げによって経営基盤を強化する。
九州運輸局の認可と市の条例改正を経て値上げが決まる。実施は26年4月とみられる。増収効果を年1億1000万円と見込む。
市営バスは24年度に市の一般会計から3億円の補助金を受け、収益的収支が1000万円の黒字を維持した。26年度からは利益率の高い観光バスの貸切事業やバスの運行受託事業を拡大することも合わせて、補助金なしでの黒字を目指す。
普通運賃は上げるが、子どもと高齢者向けに新たな優遇措置を新設する。土日祝日や長期休暇中の運賃を小学生は無料、中高生は100円とする。70〜74歳を対象に割安な定期券を始める。75歳以上を対象とする既存のより割安な定期券価格は据え置く。
市営バスは同市若松区内を中心に運行している。24年度の輸送人員(乗り合いのみ)は392万人だった。23年度比1%増えたものの、新型コロナウイルス禍の影響が小さかった19年度を27%下回っている。100円の収入を得るために135円の費用を要している状況という。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。