ペプチドリームは23日、同社の元取締役副社長最高執行責任者(COO)が試薬類を無断で社外に持ち出すなどの不正行為をしていた問題について再発防止策を発表した。不正行為の監視にあたる部署の機能不全があったとして組織体制を見直すほか、備品管理手続きをIT化して不正を監視しやすくする。11月までに対策の完了を目指す。
元COOは不正行為の監視にあたる研究総務グループの社員らに試薬を発注させ、外部に持ち出した。ペプチドリームは、同グループは研究活動に直接関わらないため、発注の不適切さを指摘できる機会はあったとみる。一方で、元COOがグループを率いる立場にあったため忖度(そんたく)が働いた恐れや、相互監視の意識が下がっていた可能性があるとしている。
再発防止策として研究総務グループを含む組織体制を見直し、リスク管理の透明性を高める。試薬の発注や管理手続きを書面からITシステムに切り替え、不適切な取引を把握しやすいようにする。
元COOは2017年から25年にかけて約5400万円相当の試薬類を無断で持ち出したほか、取締役会の承認を得ずに取引先などとの業務委託契約を結び、計5900万円の対価を得ていた。
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