マツダが北米で販売する大型SUV「CX-90」

マツダが27日に発表した4~9月の国内生産台数は34万台で、前年同期から9%減った。山口県の工場で生産する中大型の多目的スポーツ車(SUV)が低迷した。日本を含む世界生産はメキシコ工場の落ち込みなどで前年同期を8%下回った。

マツダは、主力市場の米国が輸入車に高関税を課す中にあっても、国内生産70万台を基準として維持する方針を掲げている。下期以降に生産が回復するかは全面改良して年末から世界に順次投入する主力車「CX-5」に左右される。

4~9月の国内生産は広島県内の工場は1%増の20万6000台、山口県の防府工場は21%減の13万3000台だった。

防府工場では「ラージ商品群」と呼ぶ中大型のSUVのうち、北米などで販売する「CX-70」や「CX-90」の生産が減った。防府工場の生産が前年割れするのは6カ月連続になる。

日本を含む世界生産は8%減の55万5000台だった。米国に唯一持つアラバマ州の工場は15%増の6万3000台だった。現地で人気のハイブリッド車(HV)のモデルも備えたSUV「CX-50」1車種をつくっていて、販売も好調だ。

生産が落ち込んでいるのはメキシコ・グアナファト州の工場で、21%減の8万1000台だった。米国の高関税を回避するため、収益性に乏しい小型車は米国輸出を減らしている。マツダはメキシコ市場の深掘りやコロンビアやペルーなど南米への輸出の拡大で米国向けの生産減少を補いたい考え。

米国での4~9月の販売は2%減の20万9000台だった。4月は関税分の価格転嫁を警戒した消費者による駆け込み需要が発生し、販売台数は前年同月を大きく上回った。5、6月はその反動もあって低迷した。

9月単月の販売は前年同月比12%減の2万6000台だった。車両価格を改定した2026年モデルの一部改良車の投入を見据え、在庫を減らしていたことも響いた。

日本からの4~9月の米国向け輸出は10万3000台で17%減った。「現地の不透明な経済情勢と関税環境に加えて在庫状況を踏まえた」(メディアリレーション部)とする。9月の米国向け輸出については前年同月比1%増の1万7000台だった。

4~9月の販売は欧州が17%減の7万3000台、日本は6%増の6万8000台だった。世界販売は3%減の60万9000台だった。

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