伊藤忠商事は医薬品やヘルスケア関連の事業を拡大している

伊藤忠商事は28日、医薬品の臨床試験(治験)を受託する完全子会社のエイツーヘルスケアを通じ、新薬の販売が始まった後、使用状況などを調査するファルフィールド(東京・江東)の事業を買収すると発表した。医薬品データを治験段階から販売後まで収集・解析する体制を整え、製薬会社からの受託拡大をめざす。

ファルフィールドは医薬品卸メディパルホールディングスの子会社。買収するのは、承認を得た新薬の使用頻度や患者属性、投与した効果や副作用といったデータを病院やクリニックで収集するモニタリング事業だ。11月1日に譲り受ける。投資額は明らかにしていない。

エイツーヘルスケアは被験者を募集して開発中の薬を治験し、効果や安全性などの関連データを収集・整理する業務を製薬会社から請け負っている。新薬承認後のモニタリング事業は手掛けていなかった。

厳しい薬事規制などから海外で承認された新薬が日本では発売されない「ドラッグロス」問題を受け、伊藤忠グループは海外製薬企業の日本進出を支援するサービスも手がける。エイツーヘルスケアが受託サービスの幅を広げ、国内で海外製薬企業の支援も強化する。

伊藤忠は後発薬(ジェネリック医薬品)メーカーの持ち株会社アンドファーマ(東京・中央)に出資するなど、ヘルスケア事業を拡大している。医療機器の開発や輸入販売を手がけるセンチュリーメディカル(東京・品川)もグループ企業に抱える。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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