アンソロピック日本法人の東條英俊社長(左から2人目)らが登壇した(29日、東京都中央区)

人工知能(AI)開発の米スタートアップのアンソロピックは29日、都内で日本事業について記者説明会を開いた。日本の政府機関と連携し、AIの性能やリスク評価の手法をつくると発表した。日本法人社長の東條英俊氏は「日本に特化したリスク評価方法づくりにつなげたい」と意欲を示した。

AIの安全性を検証する政府機関のAIセーフティ・インスティテュート(AISI)と連携する。アンソロピックのAIリスク評価の知見をAISIに提供し、日本の法規制や商慣習などに合わせたリスク評価基準づくりにつなげる。

アンソロピックは、AIの悪用や暴走の危険性を抑える研究に力を入れている。東條氏は「今のAIは非常にパワフルだ。悪用リスクを抑える重要性が高まっている」と話す。既にサイバー犯罪などでAIが悪用されているという指摘もある。

日本事業の戦略についても発表した。対話型AI「クロード」の法人向けの提供を強化する。クロードはプログラミングが得意とされ、既に楽天グループやメルカリなどが開発者向けに導入している。

アンソロピックは米グーグルから米オープンAIの幹部を経て独立したダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)らが2021年に設立した。このほど日本法人を立ち上げ、米スノーフレイク出身の東條氏が社長に就いた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。