記者会見するJR九州の古宮洋二社長(29日、福岡市)

JR九州は利用者が減少している日南線の油津(宮崎県日南市)―志布志(鹿児島県志布志市)間について、今後のあり方を議論する任意協議会を宮崎県や鹿児島県などと設置した。JR九州の古宮洋二社長は29日、定例記者会見で「出口は決めず持続可能性のある交通体系を考えていきたい」と説明した。

協議会「日南線の将来を考える会議」は28日付で設置した。宮崎県の日南市と串間市、鹿児島県志布志市の沿線自治体も参加する。

JR九州によると、油津―志布志間の2023年度の平均通過人員は1日あたり179人で、民営化直後の1987年度(669人)から7割減少した。4億1800万円の営業赤字だった。

古宮社長は「乗客のほとんどは高校生で通学が多い状況だ。日南線と並行して国道が走っているほか、東九州自動車道も延びるなか、日常生活での役割が小さくなっている」とし、「地元住民にとって適した交通手段は何か考えていきたい」と語った。

協議会は31日に宮崎県庁で初会議を開催し、日南線の現状や沿線地域における取り組みについて話し合う。

JR九州では指宿枕崎線指宿―枕崎間についても任意協議会を設けて今後のあり方を議論している。今回が2区間目になる。

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