
アステラス製薬は30日、2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比3.5倍の1800億円になる見通しだと発表した。従来予想から500億円上方修正し、20年3月期(1954億円)以来6年ぶりの高水準となる。前立腺がん治療薬「イクスタンジ」など主要な製品の販売が想定を上回る。
売上高にあたる売上収益は6%増の2兆300億円、無形資産の償却費や減損損失などを除いた「コア営業利益」は25%増の4900億円見込む。それぞれ1000億円、800億円上方修正した。

複数製品で売上高の予想を引き上げた。イクスタンジが700億円、胃がん治療薬「ビロイ」が200億円それぞれ上振れする。眼疾患治療薬「アイザベイ」は250億円下方修正したが、他の製品の好調で補う。研究開発費が従来想定より減る。
売上高に占めるコア営業利益率は24%を見込む。岡村直樹社長は同日のオンライン決算説明会で、目標とするコア営業利益率30%に関し「目標に向けた足固めができつつある。まだやるべきことがたくさんあり、開発費を犠牲にせず他のところでやりくりする」と語った。
同日発表した2025年4〜9月期の連結決算は、売上収益が前年同期比10%増の1兆301億円、純利益が2倍の1476億円だった。尿路上皮がん向け治療薬「パドセブ」など同社が重点戦略製品と位置づける5製品の売上高は43%増の2205億円だった。
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