構造改革の進展で京セラの今期業績は上振れする

京セラは30日、2026年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比3.9倍の950億円になりそうだと発表した。705億円とした従来予想から上振れする。人員再配置などの構造改革を進め、半導体関連部品などの採算改善が進む。米国の関税政策による減益影響が想定を下回るほか、円安が寄与する。

売上高は3%減の1兆9500億円、営業利益は2.6倍の700億円とそれぞれ500億円、150億円上方修正する。半導体チップとプリント基板をつなぐ半導体有機基板で人員再配置などにより固定費を圧縮した効果が出る。

同日のオンライン記者会見で谷本秀夫社長は「半導体関連はデータセンター関連が回復基調にある」と述べ、中長期では人工知能(AI)関連での需要開拓にも意欲を示した。

欧州の車載向け電子部品の需要は調整局面が続くものの、生産性改善の取り組みを進める。谷本社長は「米国子会社には日本から技術者を送り込んで、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の歩留まりが大きく改善した」と説明した。

通期の想定為替レートは1ドル=145円、1ユーロ=170円と期初計画からそれぞれ10円、20円円安に見直した。同社は対ドルで1円の円安で売上高は年51億円程度、税引き前利益で年7億円程度押し上げられる。期初に約170億円と見込んでいた米関税コストは約40億円に引き下げた。

同日発表した25年4〜9月期の連結決算は、売上高が前年同期比1%減の9913億円、純利益が54%増の555億円だった。

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