欧州中央銀行(ECB)は30日、イタリアのフィレンツェで定例理事会を開き、主要政策金利を3会合連続で据え置くことを決めた。物価上昇(インフレ)率はECBが中期目標とする2%に近い水準で推移しており、多くの金融市場関係者が金利維持を予想していた。
市場が注目する指標で、民間銀行が中銀に資金を預ける際の中銀預金金利は2%、銀行が中銀から資金を借り入れる際の主要金利は2・15%で据え置いた。
欧州連合(EU)統計局によると、9月のユーロ圏の消費者物価指数上昇率は前年同月比2・2%。ECBの中期物価目標におおむね沿っているが、8月の2・0%から上昇した。
4~6月期の実質域内総生産(GDP)は前期比0・1%増と、トランプ米政権の高関税政策を意識した駆け込み需要があった1~3月期の同0・6%増から大きく減速した。景気回復には足踏みが見られるものの、物価上昇圧力がかかる追加利下げをする余地は乏しかった。【ブリュッセル岡大介】
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