ほぼの駅から望む赤城山の覚満淵=前橋市富士見町赤城山で2025年10月29日、増田勝彦撮影

 前橋市出身のコピーライター糸井重里さんが代表を務める「ほぼ日」(東京都)は、廃線となった旧赤城山鋼索鉄道の山頂駅舎の運営を引き継ぎ、交流拠点「ほぼの駅 AKAGI」として再出発させる。2026年4月のグランドオープンに先立ち、11月1日から試験営業を開始。イベントやワークショップを通じて「赤城山ならでは」の魅力づくりを探っていく。【増田勝彦】

 旧赤城山鋼索鉄道は、赤城山東側の利平茶屋駅と山頂駅を結ぶケーブルカーで、1968年に廃線となった。山頂駅舎はその後、展望レストランとして利用され、2018年に国の有形登録文化財になった。所有者が事業継承者を探していたことから「ほぼ日」が引き継ぎ、今年5月からリニューアル工事を進めてきた。

 工事では窓を大きく改修し、日によっては雲海も望める山頂ならではの風景を楽しめるように。駅前の広場からは湿原「覚満淵」を箱庭のように眺められる。

 入り口横には、フォトスポットとして「ほぼの駅 AKAGI」の駅看板を設置。糸井さんは「ここから行きたい場所へどこだっていけるよ、という『希望への出発の駅』のような思いを名前に込めた」と語る。駅の椅子をイメージしたベンチや改札ボックス風の販売カウンターも置いて「駅」らしさを意識している。

「ほぼの駅 AKAGI」の内部=ほぼ日提供

 施設内では、地元食材を使った豚汁やハンバーグなどの料理、赤城山南麓(なんろく)の牧場で育つブラウンスイス牛のミルクを使ったソフトクリームなどを楽しめる。切符をモチーフにしたオリジナルグッズや、「ほぼ日」のアイテムも販売する。

 「雄大な自然に囲まれながらも、一般道を通ってたどり着けるアクセスの良さも魅力。そんな場所に、いろいろな可能性の詰まった、自由な箱を作った。訪れるみなさんと一緒に魅力的な場所を作っていきたい」と糸井さんはコメントしている。

 午前10時~午後4時(初日は午後1時半から、11月4~6日は休み)。水曜定休、祝日などに休業する場合もある。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。