自動運転技術を搭載したT2のトラック(21日、茨城県城里町)

三菱地所と自動運転システム開発のT2(東京・千代田)は21日、茨城県内で自動運転トラックの試乗会を報道機関向けに開いた。両社は特定の状況下で完全な自動運転が可能な「レベル4」を高速道路や物流施設内で実現するために連携している。共同で実証実験に取り組み技術開発や実用化を急ぐ。

試乗会は同県城里町のテストコースで開催した。1周約5キロのコースを高速道路に見立て、大型トラックにカメラや高精度センサー「LiDAR(ライダー)」を搭載して時速70キロメートルで走行した。

状況に応じて運転手による運転に切り替える「レベル2」で、運転手の操作無しに先行車に追従し、車線変更や割り込みがあった場合に減速する様子を披露した。

両社は高速道路周辺の物流施設内での自動運転も目指している。同日に物流施設内で「レベル4」の実証実験に取り組むと発表した。東京都内の物流施設で7月から始めており、まずはレベル2の技術から検証する。

建物内は位置情報を推定する測位衛星システム(GNSS)が使いにくく、自動運転の難易度が高い。施設内の高精度3次元地図とトラックに搭載するライダーによる情報を組み合わせて位置を把握する技術を開発する。

三菱地所は自動運転トラックの発着拠点として、高速道路のインターチェンジ(IC)直結の物流施設を設ける計画だ。横浜市など各地で建設を進めており、2030年ごろに順次稼働する。物流施設内も自動運転することで人手不足に対応する。

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