TOPPANホールディングス（HD）傘下のTOPPANは、日本各地の風景や文化を撮影したオリジナル4K映像コンテンツを人工知能（AI）技術で拡張する新サービスの提供を開始したと発表した。AIを用いて立体的で動的な映像表現を可能にする。観光・文化施設やイベント展示、商業空間などへの幅広い活用を想定している。
これまでサイネージやパンフレットでの活用が主だった4K映像コンテンツ「Meet Japan!」の高精細映像に、AIを用いて動きや視点の変化、3次元（3D）の奥行きを追加する。従来の1面モニターへの投影だけでなく、カーブドスクリーンや複数面のプロジェクターなどへの対応が可能となる。
AIによる拡張により、自然風景の空間的奥行きの付加や、現実の撮影では見ることができない視点、ドローン撮影のようなカメラワーク、草木や葉の微小な揺れ、木漏れ日の明滅、水面反射の変化といった動きを追加できる。映像内の微細な変化に呼応する音響も合わせて、素材映像となじむ動きで自然な表現が可能という。
Meet Japan!のコンテンツリース料は1ショット20万円から、AI生成費は1ショット15万円から。制作における企画・プランニング、編集作業、上映に必要なハードウエアなどは別途見積もりとなる。2028年度までに関連サービスも含めて約10億円の売り上げを目指す。
AIで拡張したMeet Japan!の映像は、2025年10月30日に開幕した「ジャパンモビリティショー2025」において、トヨタ自動車とTOPPANが共同出展している可動型没入体験空間「モバイルイマーシブシアター」に導入した。トヨタ自動車の「可動産サービス」で活用されているトレーラー内に、AIで拡張したMeet Japan!を前方・左右の3面のプロジェクターへ投影し、日本の四季の映像への没入体験ができる。
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