 
      公正取引委員会は31日、下請け業者が所有する金型を事実上管理していたにもかかわらず保管費用を支払わなかったとして、トヨタグループの「トヨタ自動車東日本」(宮城県)の下請け法違反を認定し、再発防止を勧告した。同社は保管費用など計1034万6369円を下請け業者らに支払ったという。
違反行為はグループ内のマニュアルを参考にしており、公取委は同日、マニュアルを作成した親会社のトヨタ自動車に対しても改善措置を申し入れた。
公取委によると、トヨタ自動車東日本は遅くとも2024年4月から25年3月末までの間、下請け業者10社が所有する自動車部品用の金型など計440個について、同社の承諾なしに廃棄できない契約を結んだ。
さらに、同社が指定する数の部品を確保すれば金型を廃棄できるなどの条件を設け、遅くとも23年8月から25年3月末までの間、7社に一括生産させた計777個の部品を無償で保管させていた。
公取委は、金型が事実上同社の管理下にあり、部品の一括生産も同社が定めた条件によるものだとして、いずれも保管費用を同社が負担すべきだったと指摘。下請け法が禁じる「不当な経済上の利益の提供要請」を認定した。
777個の部品については、納期を定めず発注しながら生産後すぐに受け取らなかったことも判明。公取委は「受領拒否」に当たるとして同社を指導した。
同社の違反行為はトヨタ自動車が作成したマニュアルを参考にしていた。マニュアル自体に拘束力はなかったものの、公取委は、違反行為につながる「重大な原因になった」とした。
同社はトヨタ自動車の100%子会社で、25年3月期の売上高は9485億円。【山田豊】
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