味の素は31日、アステラス製薬とバイオ医薬品の開発・製造技術でライセンス契約を結んだと発表した。味の素が持つ抗体薬物複合体(ADC)開発・製造の独自技術「AJICAP(アジキャップ)」の使用を許諾する。アステラス製薬が進める次世代ADC開発候補品の研究・製造や安全・効果的な治療法の創出を支援する。

アジキャップは、抗体などのタンパク質に対し高精度・安定的に薬物を結合できるのが特徴だ。抗体本来の機能を維持しながら薬物をがん細胞などの標的細胞に届けることが可能で、安全性と有効性の両面で優れた医薬品の開発につながるという。また、従来技術より製造工程も効率化できるとする。

ADCは、副作用が少なく効果的な治療につながると期待される。がん治療を中心とした需要の高まりや技術革新を背景に、調査会社によると、2023年に108億ドル(約1兆6650億円)だった世界のADCの市場規模は29年に470億ドルに達すると予想されている。

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