「日南線の将来を考える会議」にはJR九州と沿線自治体などが参加した(31日、宮崎県庁)

JR九州と宮崎、鹿児島両県などは31日、利用者が減少している日南線の油津(宮崎県日南市)―志布志(鹿児島県志布志市)間について、今後のあり方を議論する任意協議会「日南線の将来を考える会議」の初会合を宮崎県庁で開いた。

協議会はJR九州と両県、沿線である宮崎県の日南市と串間市、鹿児島県志布志市と学識経験者で構成する。オブザーバーとして国土交通省九州運輸局が参加している。

会議ではJR九州側から「このエリアに危機感を持っている。持続可能性の観点で議論を深めたい」と説明があったという。油津―志布志間の2023年度の平均通過人員は1日あたり179人にとどまり、そのうち7割が通学定期による利用となっている。沿線人口の推移から仮定すると、利用者が10年後に2割減、20年後に4割減と想定される。

宮崎県総合交通課の松田隆課長は終了後、報道陣に「存廃を前提とした議論ではなく期限も定めていない」と説明した。「地域にとって、どのような地域公共交通が望ましいかという視点で議論を詰めていくことで参加者が合意した」と述べた。

協議会は今後、3カ月に1回程度に開く方針。次回は26年3月までに開催する。沿線地域の声を把握するためにアンケートなどを計画している。

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