
信州大学(長野県松本市)と新光電気工業などは31日、半導体の高度専門人材の育成に向け産学官によるコンソーシアムを2026年4月に設立すると発表した。全国有数の半導体産業の集積と信州大学の半導体に関わる幅広い学術領域を組み合わせることで、需要が高まっている半導体分野の人材育成を加速し地域産業活性化につなげる。
「信州半導体高度専門人材育成コンソーシアム(仮)」は参加企業の技術者による大学院修士課程向けの授業やインターン、大学教員による企業技術者向けの有償講座、共同研究などを通じて、最先端技術に通じた人材を育てる。また、複数企業の連携に際しては長野県や長野市など行政がバックアップする。
信州大学はウエハー製造に関わる半導体結晶成長の研究や集積回路設計などに強みを持ち、半導体の周辺領域も含め幅広い工学技術の研究を展開している。工学部では過去5年間に毎年80人以上の学生が半導体関連企業に就職したが、コンソーシアム設立を機に3年後をめどに120人程度まで増やしたいとしている。
信大工学部はコンソーシアム設立に先立ち、24年12月に次世代半導体システム教育研究センターを学部内に発足、半導体の新たな研究分野の開拓や共同研究獲得などに乗り出していた。同センターは今後、コンソーシアムの運営母体となる。
現在、コンソーシアムのため核となって活動している教授陣は5人だが、早期に15〜20人まで増やす。企業では現時点で新光電気や不二越機械工業(長野市)など県内企業5社を含む12社が参加を表明しているが、設立までにさらに約10社増やす計画だ。
信州大によると長野県は半導体関連の事業所数が全国3位、従業員数は全国4位で、半導体人材の需要が非常に高い。コンソーシアムの果たす役割について、「信大には日本でも代表的な半導体研究者がおり、先端の半導体と地域企業を結びつける役割を担いたい」(清水聖幸理事)としている。
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