トヨタ自動車の生産子会社、トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)が下請け企業に金型や部品などを無償保管させていたとして、公正取引委員会が31日、再発防止を勧告した。トヨタ東日本は「取引先をはじめ関係の皆様にご迷惑、ご心配をおかけして心より深くおわびする」とのコメントを出した。

取引先の裾野が広く地域を代表するものづくり企業で、仕入れ先企業の収益を圧迫する商慣行が残っていたことになる。同社は下請法の研修など社内体制の整備や従業員への周知などの対策に取り組み、1カ月以内をめどに公取委に報告する方針。

公取委によると、遅くとも2024年4月〜25年3月の間に下請け企業10社に計440個の金型を無償で保管させていた。また遅くとも23年8月〜25年3月の間、下請け7社に作り置きした部品計777個を無償で保管させていた。主に中部地方の企業だという。

トヨタ東日本は「保管費用を取引価格に含めるかどうかが曖昧だったなど、仕入れ先とのコミュニケーションが不足していた」と説明する。対策として金型などの保管に関する取り扱いを明確にする覚書を取引先と締結した。

トヨタ東日本はトヨタの子会社3社が統合して12年に発足した。宮城大衡(宮城県大衡村)と岩手(岩手県金ケ崎町)の2工場でヤリスなどを生産し、中部・九州に次ぐトヨタの国内第3の拠点となっている。

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