
日揮ホールディングス(HD)は4日、フィンランドの採石・採掘機器大手メッツォとリチウム精錬分野で協業を検討すると発表した。メッツォは独自のリチウム精錬技術を持ち、従来の方法よりも安くリチウムを回収できる。日揮HDはメッツォの技術を導入した精錬プラントを日本や東南アジアなどに設計・建設することを目指す。
日揮HDの主要事業会社で、海外プラントの設計・建設を手掛ける日揮グローバルが覚書を結んだ。メッツォが技術支援や実証試験などを担当し、日揮グローバルが顧客基盤を持つ日本や東南アジア、中東地域などで営業活動を展開する。
メッツォの独自技術ではナトリウム系のアルカリ溶液でリチウム鉱石から純粋なリチウムだけを取り出せる。従来の方法ではリチウム鉱石に熱を加えて硫酸で溶かしたうえで、そこから不純物を取り除いてリチウムを回収していた。不純物の除去や中和の手間が短縮できるため、設備や運転にかかる費用を抑えられる。
リチウム鉱石は主にオーストラリアで採掘されており、2次電池を中心に世界的な需要増が見込まれる。一方、従来の方法では精錬に多くのエネルギーが必要なため、中国にプラントが集中しているという課題があった。重要鉱物の安定供給確保の面からも、効率的なリチウム精錬プラントの需要が様々な国で高まっている。
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