LINEヤフーの出沢剛社長最高経営責任者(CEO)は4日、子会社のアスクルにおいて10月19日に発生したシステム障害について「親会社として非常に重く受け止めている」と述べた。「事態の復旧、再発防止に努めるとともにグループ全体の情報セキュリティー体制を強化する」とした。
LINEヤフーはアスクルにエンジニアを派遣して全容解明を急いでいる。出沢氏は同日開いた決算説明会で、システム障害や顧客情報の流出について「影響範囲の確認を進めている」と話した。物流システムは復旧の見通しが立っておらず「収益への影響はまだ精査中」(坂上亮介最高財務責任者=CFO)だという。
アスクルは10月19日にランサムウエアに感染した。物流システムが攻撃され、通販サイトのオンラインでの受注を停止した。29日には医療機関など一部法人向けの荷物を佐川急便に委託する試験配送を始めた。出沢氏は「運用の拡大を進めていく」とした。
アスクルのシステム障害により、同社が物流業務を受託している良品計画やロフトなどのEC(電子商取引)サイトが停止したままだ。販売機会を逃したことで生じる損失の補償は「復旧が見えてきたら議論になると思うが、今後(企業側と)話してみないと分からない」(坂上氏)という。
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