万博会場に向かうバスの発着場のあった桜島駅に停車するJR西のラッピング電車(10月29日、大阪市)

JR西日本は4日、2026年3月期の連結純利益が前期比4%増の1185億円になる見通しだと発表した。1%増の1150億円としていた従来予想から35億円上乗せし、2期連続で過去最高を更新する。大阪・関西万博の開催中に鉄道旅客や物販が好調だった実績を踏まえた。年間配当は従来予想より4円50銭多い90円50銭(前期実績は84円50銭)を計画する。

売上高は7%増の1兆8360億円を見込む。JR西は4〜10月に開催された万博が26年3月期の業績を売上高で440億円、営業利益で190億円、押し上げるとみる。売上高は70億円、営業利益は40億円、期初の想定を上回る。

JR西は「山陽新幹線の増収効果は130億円を見込む」と話す。グループ会社が万博会場に出店したオフィシャルストアの販売も堅調だった。同時に発表した25年4〜9月期の連結決算は、売上高が前年同期比7%増の8718億円、純利益は24%増の867億円だった。

関西で列車を運行するJRや私鉄大手は、万博による増収効果が期初予想を上回るケースが相次ぐ。JR東海は通期で200億円と見込んでいた東海道新幹線の増収効果を460億円に修正した。

南海電気鉄道は11億円としていた増収効果を20億円に見直した結果、26年3月期の連結純利益は期初の減益予想から一転、増益を見込む。阪急阪神ホールディングスも万博効果で鉄道やホテルが堅調に推移し、通期の売上高を90億円近く押し上げる。

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