キリンが発売する氷結と午後の紅茶の新商品(4日、東京都港区)

キリンビールは4日、主力の缶チューハイ「氷結」で長野・青森県産の「ふじりんご」を使った商品を18日に期間限定で発売すると発表した。キリンビバレッジは同リンゴを使った「午後の紅茶」を12月2日に期間限定で発売する。色づきが悪いなどの理由で廃棄される果実を使い、合わせて約13.5トンのフードロス削減につなげる。

キリンビールが2024年に始めた、廃棄予定の果物などを活用した「氷結 mottainaiプロジェクト」の一環で、1本売り上げるごとに1円を農家に寄付する。同プロジェクトで、グループ内をまたがって2つのブランドから商品を発売するのは初めて。

「ふじりんご」は日本で最も多く栽培されているリンゴの品種で、甘みと酸味のバランスが良いのが特徴だ。産地直送サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデン(東京・港)と協力して調達した。

キリンが都内で開いた新商品発表会(4日、東京都港区)

「キリン 氷結 mottainai ふじりんご(期間限定)」は、「ふじりんご」の甘みと酸味を再現し、すっきりとした味に仕上げた。20〜30代を主なターゲットにする。

「キリン 午後の紅茶 mottainai ふじりんごティー」はフルーティーな甘みと香りを再現し、紅茶の余韻を残した。コンセプトに共感する若年層を中心に、普段紅茶を飲まない人も取り込む。

気候変動の影響で色づきの悪いリンゴは増加傾向にあるという。「ふじりんご」の生産者によると例年全体の約2割が規格外で、1割弱を廃棄するという。規格外品のうち加工品として活用できるリンゴをキリンが買い取った。

氷結のコンビニでの想定販売価格は350ミリリットル缶で193円前後、500ミリリットル缶で260円前後。午後の紅茶の税抜き希望小売価格は210円。

氷結ブランドの担当者は4日、都内で開いた発表会で「食べチョクと協力することで、氷結だけでは実現できない規模でフードロス削減に貢献できる。今後も志を同じくするパートナー企業とのつながりを広げ、プロジェクトを進化させたい」と話した。

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