鈴木憲和農相は4日の閣議後記者会見で、コメ価格を巡り「多様な価格帯のものに対するニーズに応えきれてない」と述べた。鈴木氏は就任以来、5キロ平均4000円台が続く米価への評価を避けてきたが、安価なコメの供給が追いついていないと認めた形だ。
鈴木氏は10月24日の記者会見で「政府がどの価格帯がいいとか悪いとかを言うべきではない」と発言。同28日の会見でも「大臣の立場で高いもしくは安いというふうには申し上げない」と話した。コメ価格について評価を避け、5キロ3000円台を目標に掲げた前政権との違いをみせた。
一方で、同23日の新聞社とのインタビューでは「コメにはさまざまな価格帯がある。食べ盛りの子供がいる世帯が高いコメを毎日買うことはない。各価格帯の需要も分析したい」と述べ、安価なコメへのニーズも認めていた。
鈴木氏は4日の会見で「現状の米価は安定していると言えるのか」と問われ、「スーパーマーケットでは(多くが)4000~5000円だった。もう少しリーズナブルなものがほしいとの話もいただいており、さまざまなニーズに応えられる価格帯のコメが消費者に届くのが価格の安定」と答えた。ただ、「現状では多様なニーズ、多様な価格帯のものに対するニーズには、残念ながら応えきれてない」と述べた。
農林水産省が調べた、全国のスーパー約1000店で10月20~26日に販売されたコメ5キロ当たりの平均価格(税込み)は4208円で、4000円台は8週連続となっている。【渡辺暢】
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