国際輸入博覧会の開幕式で演説する李強首相=上海市で2025年11月5日午前10時4分、松倉佑輔撮影

 中国の李強(りきょう)首相は5日、中国経済について「内需拡大、特に消費の拡大に努める」と述べた。同日に上海で始まった外国企業が製品や技術を展示する「中国国際輸入博覧会」での開幕式で演説した。

 李強氏は「14億人を超える内需の潜在力を最大限発揮する」と強調。デジタル技術などを加速して新産業を発展させると訴えた。また米国を念頭に、保護主義を批判した上で開放姿勢を強調。「各国企業がより安心して快適に事業展開できるように支援していく」と述べた。

 中国経済は価格競争の激化や節約志向の定着で伸びが鈍化しており、中国政府は市場の底上げのためにも外資の投資や貿易を促進したい考えだ。先月に基本方針が示された2026~30年の「5カ年計画」でも内需拡大や対外開放が強調されていた。

 習近平国家主席も5日、開幕にあたって「ハイレベルの対外開放を断固として進め、経済のグローバル化を推進していく」と書簡を寄せた。

 輸入博は18年から始まり今年で8回目となる。今回は138の国・地域の約4100社が参加。米中対立は長期化している一方で、米国企業の出展面積は7年連続でトップとなっている。【上海・松倉佑輔】

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