ガソリン税と軽油引取税の上乗せ分に当たる「暫定税率」の廃止で与野党が合意したことを受け、石油元売りでつくる石油連盟の木藤俊一会長(出光興産会長)は「かねて業界の長年の要望だった。これが実現するという形になる」と歓迎した。一方で、石油業界は消費者の間で買い控えや給油所の不利益につながることを懸念しており、政府に支援策を求めている。
全国石油商業組合連合会の森洋会長は5日、石油連盟と全国石油政治連盟と合同で開催した「石油増税反対 総決起大会」で、「(合意の)結果についてはいろいろご批判もあろうかと思うが、何とか政府の考え方を理解しながら、業界が正しい方向に進むべく、これからも努力していきたい」と語った。森会長は与野党協議で業界の懸念点を伝えていた。
与野党合意では、13日から2週間ごとに既存の1リットル当たり10円のガソリンと軽油の補助金を5円ずつ増やし、軽油は27日、ガソリンは12月11日に暫定税率分まで引き上げる計画。消費者の買い控えなどで補助増額までに給油所の在庫が販売できなければ、小売価格の低下で利益が縮小する可能性があるという。
森会長は「明日から仮に5円下がるとなると、なかなか消費者の方々はタンクをいっぱいにしない傾向があるのでは」と指摘。総決起大会に出席した自民党の小野寺五典税制調査会長は「今回の補正予算の中で、支援策もしっかり入れていきたい」と表明した。
沖縄県ではガソリン税に1リットル当たり7円の軽減措置がある。全石連は暫定税率廃止後も維持することを求め、その方向でまとまった。【中島昭浩】
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