
ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームは6日、日本で顧客向けイベント「Arm Unlocked Tokyo 2025」を開いた。オートモーティブ事業部門のスラジ・ガジェンドラ氏は人工知能(AI)がロボットや機械を自律的に制御する「フィジカルAI」を念頭に「自動運転車の機能とロボティクスには多くの類似点がある」と指摘した。
アームの顧客向けイベントは、アジアでは9月の上海、10月のソウル、深圳に続く開催となる。11月には台北でも同イベントを開く。
ガジェンドラ氏は「機能の安全性や高度なコンピューティング、センシングなどの面で(自動運転とロボは)似ている」と述べた。自動運転の分野で培った技術がロボットにも生かせるとの考えを示した。
アームは9月、車載半導体に特化した回路設計図(IP)群「Arm Zena(アームジーナ)」の提供を始めた。CPU(中央演算処理装置)や周辺半導体を効率的に機能するように必要なIPをセットで提供する。顧客企業は開発期間を最大で12カ月短縮できるという。
ソフトウエア定義車両(SDV)の実現に向け、2021年にはソフト基盤を開発するオープンプロジェクト「SOAFEE(ソフィー)」を立ち上げた。現在では自動車メーカーなど150社を超える企業が参画する。顧客から課題を吸い上げ、半導体設計の次世代技術の開発に生かしているという。
アームは自動車メーカーの多い日本を成長市場と位置づけている。ガジェンドラ氏は「AIの搭載で車の設計に大きな変化が起きている」と語った。
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