福岡県苅田町

 トヨタ自動車が福岡県苅田町に建設を計画している電気自動車(EV)向けの電池工場について、服部誠太郎知事は7日、トヨタ側から建設延期が伝えられたと明らかにした。トヨタ側は今後1年程度かけて事業計画の見直しを進めるといい、2028年に予定していた工場の稼働開始は遅れる可能性がある。

 服部知事によると、6日にトヨタ自動車の佐藤恒治社長らから福岡市で説明を受けた。トヨタ自動車は25年3月に当初は4月に結ぶはずだった県との立地協定を秋ごろまで延期していたが、協定締結はさらに1年遅れる見通しだ。

 トヨタ自動車は2月、県が造成した苅田町の苅田港新松山臨海工業団地第2期分譲地(27万6517平方メートル)を取得。トヨタ子会社が同所に工場を建設し、航続距離が従来の2倍ありながら低コストで、急速充電できる次世代電池を生産する計画だったが、事業計画の見直しは車体製造などを含めて検討するという。

 服部知事はEVの販売状況などから「トヨタの判断はやむを得ないもの」と理解を示した。その上で「長期的に見ればトヨタのしっかりとした戦略の基で生産設備が建設されることが、地域経済の安定や雇用創出につながる。撤退はないとも考えている」と話した。【宗岡敬介】

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