ANAホールディングスは新型コロナウイルス禍を経て自社株買いを再開する

ANAホールディングス(HD)は10日、株式とハイブリッド社債・ローンの両方の特徴をもつ「社債型種類株」を2000億円発行すると発表した。航空機投資や自社株買いに充てる。同日、最大1500億円の自社株買いをすると発表した。新型コロナウイルス下で拡充した資本構成を見直し、1株あたりの株主価値を向上する狙い。

ANAHDが社債型種類株を発行するのは初めて。申込株数単位は100株で、発行価格は1株5000円。払込期日は12月12日。野村証券など4社が引き受ける。発行から5年後以降は金銭対価による取得が可能になる。2031年9月末までは固定配当とする。

社債型種類株は会計上の資本として認定されることから、希薄化や財務健全性に配慮しながら資金調達できる。調達額のうち1000億円を航空機投資に充てる。29年の成田空港の発着枠拡大を見据え、機材数を31年3月期には約320機と25年3月末よりも約40機増やす。このほか手元資金も含めて上限1500億円の自社株買いの原資とする。

同日発表した自社株買いは発行済み株式総数(自己株式を除く)の14.2%にあたる6750万株を上限に取得する。取得期間は12月16日から26年12月15日まで。取得した自社株は全て消却する。同社は自社株買いについて「財務健全性やキャッシュフローの水準などを考慮しながら、今後も機動的に検討する」としている。

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