三井不動産や三菱地所が開発した超高級マンション「三田ガーデンヒルズ」(1月、東京都港区)

不動産大手デベロッパー5社の2025年4〜9月期の連結決算が11日、出そろった。合計した純利益は前年同期比31%増の4120億円だった。都心の分譲マンションの価格上昇やオフィス賃料の引き上げが業績を押し上げた。

同日発表した住友不動産の純利益は8%増の1183億円と同期間で最高益を更新した。都心を中心にオフィスの稼働率が上昇。マンションも販売単価が上がって利益率が改善した。

すでに発表した三井不動産は72%増の1521億円、三菱地所は16%増の580億円だった。両社で開発した超高額マンション「三田ガーデンヒルズ」(東京・港)の売り上げを計上し、三井不の国内マンションの1戸あたり単価は1億7947万円に上った。

オフィスは都心で空室率が下がり、賃料の上昇基調が続く。三菱地所は5〜20%以上の幅で賃料を増額改定した。三井不も新規入居や契約更新時に消費者物価指数(CPI)に連動して賃料が上がる「インフレ条項」を導入した。東急不動産ホールディングス(HD)は渋谷を中心に空室率が0.6%と前年同期から1.1ポイント下がった。

26年3月期通期の業績見通しは三井不、東急不動産HD、住友不が上方修正した。けん引役の一つは不動産仲介事業だ。

三井不は純利益が前期比7%増の2650億円を見込み、従来予想から50億円引き上げた。不動産仲介「三井のリハウス」や貸し駐車場「三井のリパーク」の事業利益が上振れする。新築マンションの供給が減り、中古市場が活況という。

三井不の藤岡千春常務執行役員は「27年3月期に自己資本利益率(ROE)8.5%以上とする目標の前倒し達成も視野に入った」と語った。25年3月期のROEは8.0%だった。

東急不動産HDも仲介会社「東急リバブル」の取扱高が伸び、手数料収入が増える。住友不はマンションの販売戸数が計画を上回る。3社は自社株買いや増配といった追加の株主還元をする。

三菱地所は国内外の物件売却が下半期に集中するため、業績見通しを据え置いた。

(斎藤萌)

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