クラボウは11日、インドネシア子会社の工場を移転すると発表した。7月に安城工場(愛知県安城市)を閉鎖し繊維の生産をインドネシアに集中させていたが、生産効率改善のため移転する。現在インドネシアの工場で手掛けている織布生産はタイの工場に移管し、高付加価値糸の紡績に特化する。2026年度中の移転完了を目指す。

同日、26年3月期の純利益が前期比17%増の105億円になる見込みだと発表した。従来予想から10億円引き上げた。投資有価証券売却益が従来予想より増える見通し。期末配当は282円(前期は180円)とする従来予想を据え置いた。

売上高は4%減の1440億円を見込む。前期に自動車内装向けの軟質ウレタンを製造する中国子会社を売却したほか、半導体市況の低迷により製造装置向け樹脂製品の受注が減少したことが響く。営業利益は80億円と22%減少する見通し。フィルムなど化成品事業の販売数量減に加え、労務費の増加も重荷となる。

クラボウは同日、100万株を上限とする自社株買いを実施すると発表した。自己株式を除く発行済み株式総数の5.98%にあたり、取得価額は70億円となる。26年9月末までに取得する。25日には現在保有している約128万株の自社株のうち100万株を償却する。

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