宝ホールディングス(HD)は11日、2026年3月期の連結純利益が前期比31%減の111億円になりそうだと発表した。従来予想の163億円から52億円下方修正する。上場子会社のタカラバイオが過去最大の赤字となることが響く。米国での日本食材卸事業は、外食市場の低迷で価格競争が激しくなっている。
売上高は前期比8%増の3920億円、営業利益は21%減の162億円となる見通し。従来予想より売上高は90億円、営業利益は57億円下振れする。国内の酒類販売では24年10月の値上げの影響で、売上高は落ち込むが営業利益は伸びる。海外事業ではバーボンウイスキーの販売がけん引する。
タカラバイオは同日、26年3月期の連結純損益が90億円の赤字(前期は10億円の黒字)となりそうだと発表した。前期比25%増の13億円としていた従来予想から103億円下方修正して、一転赤字となる。
17円を見込んでいた年間配当は14期ぶりの無配(前期は17円)とする。米トランプ政権がバイオ関連の研究予算を大幅に絞り込んでいることや、中国企業との競争激化で試薬の販売が落ち込んでいる。
25年4〜9月期の連結最終損益は69億円の赤字(前年同期は5億円の黒字)だった。売上高は同5%減の187億円だった。生産設備で39億円の減損損失を計上したほか、米国で人員を縮小している。タカラバイオの宮村毅社長は「トランプ政権の方針は来年になったらすぐに戻るというわけではない。アカデミア以外の分野に注力する」と述べた。
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