福岡空港(福岡市博多区)の発着枠の拡大に向け、福岡県や九州経済連合会などが11日、福岡空港機能向上等検討委員会を設置した。福岡空港は今年3月に第2滑走路の利用が始まったが、現行の1時間当たり40回の発着枠はほぼ上限に達している。1時間当たり45回に増やす時期を当初予定より前倒しするため、技術的検討や騒音対策区域の見直しを国土交通省に要請した。
検討委は、空港を運営する福岡国際空港(FIAC)や福岡県、福岡市、九経連など7団体で構成し、国土交通省もオブザーバーとして参加した。
福岡市内で開かれた初会合で、検討委委員長の池辺和弘・九経連会長は「九州の経済環境は成長局面にあり、半導体ビジネスやインバウンド(訪日客)の急増への対応が九州の発展に必要だ」とあいさつ。FIACによると、要請に対して出席した国交省の担当者は「すみやかに検討に着手したい」と述べたという。
福岡空港では現在、第2滑走路は国際線の離陸にしか用いておらず、航空機の進入経路を工夫し着陸にも利用できれば、1時間当たり45回まで発着枠を増やせる余地があるとされる。国交省も第2滑走路増設時、需要が増加した場合に2035年ごろの発着枠拡大を想定していた。検討委は、国交省の返答を待ち、今後の活動を検討する。
福岡空港は、従来の滑走路(全長約2800メートル)に加えて今年3月に、第2滑走路(約2500メートル)を開設した。ただ、滑走路間が210メートルと短いため同時に離着陸できず、1時間当たりの発着回数も38回から40回に増えたのみだった。
【後藤浩明、中園敦二】
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