大和自動車のタクシー

大和自動車交通は早ければ2026年春にも「特定技能」の在留資格を持つ外国人のタクシー運転手を数人採用する。12日に開いた決算説明会で大塚一基社長が明らかにした。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ車両の稼働率が回復基調にあるなか、拠点開拓も進めて規模拡大を目指す。

政府は24年度、外国人在留資格で最長5年就労できる「特定技能1号」の対象に自動車運送業を加えた。大和自動車は面接など採用活動に着手しており、外国人を受け入れる体制の整備を進めている。大塚社長は「教育だけでなく生活面などのサポート体制も創意工夫していく」と話した。

同日発表した25年4〜9月期の連結決算は売上高が前年同期比6%増の98億円、営業損益が2億2800万円の黒字(前年同期は1億5500万円の赤字)、最終損益が2400万円の黒字(同1億4700万円の赤字)だった。タクシーの稼働率の上昇や経費の見直しが寄与した。

タクシー事業は赤字が続いており、さらなる稼働率上昇を目指す。24年に東京都三鷹市で新設した営業所で運転手の確保と営業網の拡大を進めている。大型車両で高級ホテルや空港の間を巡る富裕層向けの送迎サービスにも注力する。

大和自動車はソニーグループが出資する配車アプリ大手のS.RIDE(エスライド、東京・港)や同業でエスライドに共同出資する国際自動車(同)と業務提携しているほか、国際自動車が大和自動車株を8.28%取得するなど連携を深めている。

大塚社長は「タクシー業界は運転手不足や自動運転の進展、業界再編の波にさらされていく。1社だけで乗り越えるのは難しい」と語る。提携によってデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速し、車両の保有規模を拡大して競争力を磨く。

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