FRONTEO(フロンテオ)が治療薬の標的となる物質をAI解析で絞り込む

人工知能(AI)によるデータ解析支援を手掛けるFRONTEO(フロンテオ)は13日、2026年1月から、UBEと低分子薬開発の研究を始めると発表した。医学・生命科学の研究論文を学習したAIを使って、病気の治療薬になる物質を突き止める。数年かけて治療薬の候補を開発し、製薬会社とのライセンス契約を目指す。

対象とする病気は25年末までに決める。低分子薬は分子量が小さく、構造が比較的単純であるため、製造が容易で飲み薬にもしやすい。まずフロンテオが治療薬の標的となる物質を絞り込んだあと、UBEが標的に効く治療薬候補を探して有効性や安全性を確かめる。

フロンテオは従来、塩野義製薬や中外製薬などに研究開発向けのAIを提供してきた。薬の候補物質を探す事業に参入するのは初めてになる。医薬品のライセンス契約は一般的に数億〜数百億円と高い収益が見込める。

病気に関わる物質は2万〜3万個と膨大で、薬の候補を絞り込むのは難しい。フロンテオのAIは英科学誌ネイチャーなどに掲載された論文を網羅的に学習し、研究対象とした遺伝子や物質同士の関係性を図示する。研究者は図を見ながら、創薬の仮説を立てやすくなる。

UBEはこれまで低分子薬として抗アレルギー薬や血圧降下薬を開発してきた。フロンテオと組み、AI技術を取り入れて薬の開発スピードを速める。

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