
東レは18日、サウジアラビアで水処理用膜の新工場が稼働したと発表した。海水を淡水化するのに使う「RO膜」の工場で、RO膜のほか膜を円筒状にした最終製品まで一貫して生産できるようになった。従来の淡水化方法よりも環境負荷が低いことをアピールし、RO膜の採用拡大を目指す。
RO膜には非常に細かな穴があいており、圧力をかけながら海水をろ過できる。サウジアラビアにはこれまで膜を使い筒状の完成品に組み立てる工場はあったが、膜は日本などから輸入していた。サウジアラビアで膜製造から最終製品化まで一貫し手がけるのは東レが初めてという。7月に稼働を始め、投資額や生産能力は開示していない。
サウジアラビアで淡水化には従来、海水を沸騰・蒸発させ塩分を取り除く方法がとられていた。膜を使うことで二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に減らせるという。膜を使った淡水化プラントの建設も進んでおり、生産体制を整え需要に対応する。
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