デンソーは18日、カーエアコン用のホースや配管事業をエンジン関連部品を手掛けるマルヤス工業(愛知県岡崎市)に売却する検討を開始したと発表した。デンソーは燃料ポンプやエンジン用プラグといった内燃機関分野を中心に事業の売却を進めている。車の電動化をにらみソフトウエアや電装品に資金を集中する。

デンソー完全子会社のデンソーエアシステムズ(愛知県安城市)の全株式をマルヤスに売却することの検討開始で基本合意した。デンソーエアシステムズはカーエアコンのホースや配管の開発・製造を担う。2025年3月期の連結売上高は747億円。あわせて、デンソーが手掛ける関連事業についても譲渡する。時期や金額は今後詰める。

デンソーは電動化関連製品への投資集中のため、ガソリン車関連部品の事業売却を進めている。22年には燃料ポンプ事業を愛三工業に売却した。25年もガソリンエンジンを点火する「スパークプラグ」と排ガス用センサー事業を日本特殊陶業に売却することで合意した。

マルヤスはトヨタ自動車を主な顧客とし、EGRクーラーと呼ぶエンジン関連製品を主力とする。同製品は排ガスを冷やして再循環させ、燃焼の度合いを制御して燃費を改善する。配管製品や熱制御関連技術のノウハウを持ち、相性がいいと判断した。

マルヤスは買収の正式合意後に持ち株会社を設立し、マルヤスとデンソーエアシステムズを事業会社として傘下に置く構想という。

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