朝日生命の小野貴裕取締役

朝日生命保険は20日に発表した2025年4〜9月期決算で、運用実績が契約者に約束した利回り(予定利率)を下回る「逆ざや」を解消した。運用で得られる利差損益が4億円と、前年同期の12億円の赤字から黒字転換した。同社の順ざやに転じるのは00年度の利差損益の開示開始以降で初めて。

25年3月期の逆ざや額は19億円だった。過去の高い予定利率の保険の契約終了が進み、金利上昇で利息配当金収入も改善したのが寄与した。大手生保では2010年代半ばにかけ各社が逆ざやを解消している。朝日生命の小野貴裕取締役は20日の記者会見で「資産運用をはじめ逆ざや解消に向け取り組みんできた」と強調した。

逆ざやは1980年代に生保各社が予定利率が高い保険を販売したのに起因して発生。運用益で保険金の支払いをまかなえなくなり、90年代後半の生保危機の引き金になった。契約期間が数十年にわたる生保では長らく業績の重荷となってきた。

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