原子力規制委員会は20日、東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所でテロ対策関連の秘密文書の管理不備があったと発表した。東電社員が厳重保管が必要な文書をコピーし、自分の机で保管していた。東電が6月に規制委に報告した。
規制委が20日、非公開の会合を開き対応を協議した。核物質をテロなどから守るための文書は決められた場所での保管が定められている。規制委事務局の原子力規制庁の担当者は「業務を円滑にするためにした行為と捉えている」と話した。
情報漏洩などは確認されていない。規制委は東電の調査が終わり次第、最終的な評価を下す。ほかに事前に許可を得ていない工具が柏崎刈羽原発の敷地内に持ち込まれる不備なども発表した。東電から地元に事案について説明済みという。
新潟県の花角英世知事は21日にも6号機の再稼働の容認を表明する見通しだ。規制委が再稼働に向けて実施する原子炉の検査などには影響しないもようだ。
柏崎刈羽原発では過去にIDカードの不正利用や外部からの侵入を検知する装置の不具合など、テロ対策上の不備が発覚している。21〜23年に規制委から事実上の運転禁止命令を受けた。
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