日本生命=大阪市中央区で、曽根田和久撮影

 日本生命保険の課長級社員が社内集会で銀行への出向者を「スパイ」呼ばわりしていた問題で、日生の赤堀直樹副社長は20日、該当するとみられる課長級社員が社内調査に「記憶にない」と説明していたことを明らかにした。そのうえで「発言は確認できなかったが、そういう雰囲気はあったと思う」と釈明した。

 赤堀氏は「調査して当該課長にヒアリングしたが、結果的に『記憶にない』と、本人からは(確認を)得られなかった。そうした場面の原稿も取り寄せてみたが、確認できなかった」と述べた。ただ、スパイ発言がなかったとは断定せず「何か、そういうことを醸し出すようなことがあったのではないかと推定している」と言葉を濁した。

 20日の決算発表記者会見で質問に答えた。

 日生では、銀行に出向した複数の社員が出向先の社外秘情報を不正に持ち出していた不祥事が発覚した。10月には、現役の日生社員が毎日新聞の取材に実態を証言。2020年代前半、首都圏の研修所で200人超の社員が集まった集会で、本社の課長級社員が「●×銀行に出向しているスパイから今、情報が来ました!」と呼びかけていたことを明かした。【山口智】

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