首相官邸=2025年7月22日午前10時20分、平田明浩撮影

 政府が21日にも閣議決定する経済対策で、裏付けとなる2025年度補正予算案の歳出と大型減税の効果額が計21・3兆円程度になることが20日、明らかになった。地方自治体や民間企業の支出分なども含めた事業規模は計42・8兆円程度を見込む。一般会計の歳出規模は17・7兆円程度とコロナ禍後の23年度以降では最大になる見通しで、高市早苗政権の財政拡張路線が改めて鮮明になっている。

 高市政権が掲げる重点施策では、生活の安全保障・物価高への対応11・7兆円程度▽危機管理投資・成長投資7・2兆円程度▽防衛力と外交力の強化1・7兆円程度――をそれぞれ充てる。

経済対策の規模

 国会審議を経ずに内閣の裁量で使途を決められる予備費は7000億円程度を積み増す。自然災害の発生や更なる物価高、クマの被害拡大などに備える。

 大型減税は、所得税がかかり始める「年収の壁」の引き上げで1・2兆円程度、ガソリン・軽油に上乗せされている暫定税率の廃止で1・5兆円程度の効果額をそれぞれ見込む。

 国の直接支出である国費に財政融資を加えた財政措置は、25・5兆円程度になる見通しだ。

 高市政権初となる経済対策は物価高への対応を重視した。自治体が自由に使える重点支援地方交付金には2兆円を計上する。連立を組んだ日本維新の会が強く求めた来年1~3月の電気・ガス代補助は増額を受け入れた。少数与党の状況下、立憲民主党と公明党が求めていた子育て支援策では、18歳までの子供1人当たり2万円を給付する「子育て応援手当」を盛り込む。

 政府は開会中の臨時国会で、経済対策の裏付けとなる補正予算案の成立を目指す。【加藤結花、井口彩】

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