TOPPANホールディングス傘下のTOPPANは、太陽光発電パネルの表面加飾に使用できる透過フィルム「ダブルビューフィルム」を開発したと発表した。太陽光パネルの発電効率を維持しつつ、パネルの無機質な外観による景観への影響を軽減して建築物の意匠性を高められる。2026年度中の量産化を目指す。
新型フィルムは光を透過する独自機能を持ち、表面にはサーフェスデザインの印刷が可能なため、太陽光パネルの表面に様々な意匠を付与できる。合わせガラス方式の太陽光パネルに施工した検証で、フィルムを貼らない状態を100%とした場合、同社選定の木目柄で92.8%、石目柄では98.1%の発電効率を維持することを確認したという。
また防眩（ぼうげん）性も備えており、太陽光パネルを設置した際に起きる外光による反射やぎらつきを低減する。
同社は、国際安全・性能基準である国際電気標準会議（IEC）の規格基準に基づいて、同フィルムの耐久性を検証した。IEC規格のダンプヒート試験規格（セ氏85度、相対湿度85%）による1000時間の試験、寒熱繰り返し試験規格（セ氏85〜マイナス40度）による200サイクルの試験を実施した結果、初期値と比較して発電効率の低下はフィルムを貼らない場合と同程度だったという。
TOPPANは、同フィルムをオフィスやマンションエントランス、ホテルといった建築内装の用途だけでなく、モビリティーや家具・家電、産業資材などの幅広い業界に向けて展開していく計画だ。
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