
NTTは2日、ロボット制御ソフトを開発するスタートアップのMujin(ムジン、東京・江東)と資本業務提携を結んだと発表した。NTTや傘下のNTTドコモビジネス、外資ファンドなどが第三者割当増資を通じてムジンに209億円出資する。NTTグループの情報通信技術とムジンのソフト技術を組み合わせ、ロボットや機械を自律的に制御する「フィジカルAI(人工知能)」分野で共同事業に乗り出す。
今回の第三者割当増資はNTTとNTTドコモビジネス、カタールの政府系ファンドであるカタール投資庁、三菱HCキャピタルリアルティ、米セールスフォースベンチャーズの5者が引き受けた。ムジンは銀行などから155億円の融資も受けたため、調達額は合計で364億円に達した。
ムジンは工場や倉庫を仮想空間に再現してロボット群を制御するソフト基盤「MujinOS」を製造業や物流業などに提供する。NTTとNTTドコモビジネスは生成AIやクラウド、サイバー防衛、次世代通信基盤「IOWN」といったサービスを手がける。
3社は技術を持ち寄り、工場内搬送や倉庫の入出庫などの作業現場でロボットを安心・安全に自動制御できるクラウドサービスなどを提供する。導入コンサルティングや運用支援なども担う。
NTTの爪長美菜子執行役員は、記者会見で「製造業や物流業だけでなくロボット導入が難しかった領域も自動化を進め、人手不足の解消や生産性向上につなげる」と語った。将来はAIとロボットをより協調させる技術を開発し、介護施設や病院など幅広く導入先を開拓する。
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