
大塚ホールディングス傘下の大塚製薬は2日、高齢者のフレイル(虚弱)予防を支援する仮想現実(VR)コンテンツの提供を始めたと発表した。VRによる疑似体験を通して見逃しやすいフレイルの兆候を学ぶ。フレイル予防への意識を高め健康維持につなげる。
フレイルとは加齢によって気力や体力が弱まっている状態を指す。心身や社会性の回復力が低下し、生活に支援が必要な要介護状態へ移行するリスクが高まるとされる。
VRではペットボトルの蓋が開けにくい、食事中にむせ込む、横断歩道を渡りきれないといったささいなフレイルの前兆などを体験できる。ポートフォリオマネジメント室の大西弘二氏は「生活者に新たな気づきを与えることが行動変容を促すきっかけになる」と期待する。
内容は東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢機構長による監修を受けた。自治体のイベントや介護施設のフレイル予防教室などでの活用を想定する。1事業所当たり月3万円から利用できる。
大塚製薬はVR開発のジョリーグッド(東京・中央)と共同で、VRサービス「FACEDUO(フェイスデュオ)」を手がける。これまでに認知症患者の家族や引きこもり当事者の家族向けのVR学習コンテンツを展開しており、今回のフレイル予防のコンテンツは新サービスとして提供する。
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